労働者党機関紙『海つばめ』第1505号
2025年8月24日
• 借金依存の財政膨張、軍事費増大に突き進む自公政権打倒!
• 女性差別・民族差別・賃金差別など一切の差別に反対しよう!
• 「搾取の廃絶」、「労働の解放」を掲げ、闘いを発展させよう!
目次
【1面トップ】
矛盾深める物価高対策――追随する不甲斐ない野党
【1面サブ】
「日本人ファースト」とは――日本人優先の排外思想、「国家エゴ」に繋がる
【飛耳長目】
【2面トップ】
ウクライナを巡る米、ロ首脳会談
米・ロ両大国の横暴糾弾――ロシアへの東部2州併合で合意
【2面サブ】
独裁強めるトランプ大統領
要約
【1面トップ】
矛盾を深める物価高対策
――追随する不甲斐ない野党
この記事は、2025年7月の参議院選挙で物価高対策が争点となったことを受け、与党と野党の政策、そして見過ごされてきた日本銀行の金融政策について論じている。
物価高の現状について、消費者物価指数は前年同月比3.3%の上昇が7カ月連続で続き、特に米の価格は2倍の水準になっている。物価高に賃金上昇が追いつかず、実質賃金は6カ月連続で減少しているため、労働者階級は生活苦に直面している。
選挙で与党は「給付金」、野党は「減税」を主な対策として主張した。与党の給付金は、住民税非課税世帯や子どもに4万円、その他に2万円を支給するというもので、露骨な選挙対策として批判された 。野党は消費税減税などを掲げたが、財源の確保方法が明確ではないと批判されている。結局、与野党ともに財源を赤字国債に頼る「バラ撒き」政策であると指摘している。
また、この記事は物価高対策において、日銀の金融政策が忘れ去られていることを強調している。アベノミクス以降の異次元金融緩和により、日銀が保有する国債は583兆円に膨れ上がった。欧米がインフレ対策として金利を大幅に引き上げたのに対し、日銀は低金利政策を長く続けた。この日米間の金利差が円安を加速させ、輸入品の価格高騰を通じて物価高の一因になったと分析している。
日銀が金利を上げれば、債務超過に陥るリスクが高まり、政府の財政運営を圧迫する。しかし、金利を上げなければ物価高が進行するというジレンマに現状は陥っている。
記事の結論として、ブルジョアジーは労働者の犠牲の上に資本主義を延命させようとしていると主張し、「賃金と物価の好循環」は労働者の階級的な賃上げ闘争を解体するものだと批判している。そして、資本主義を変革するための労働者の闘いを強化するよう呼びかける。
【1面サブ】
「日本人ファースト」とは
――日本人優先の排外思想、「国家エゴ」に繋がる
この記事は、参政党が掲げる「日本人ファースト」というスローガンと、それが煽る外国人排斥思想の危険性を論じている。
参政党代表の神谷は、公の場では外国人差別を否定しながらも、その公約では矛盾した主張を展開している。具体的には、外国人への社会保障の給付対象を「国益につながる人物」に限定し、生活保護の停止や医療保険制度の利用制限を掲げた。さらに、外国人の公務員採用を制限したり、国籍取得後3世代を経なければ公務に就けないとまで主張している。
記事は、これらの主張が、社会保障制度の問題が外国人の優遇によって引き起こされているかのような誤った印象を与えていると批判する。社会保障制度のほころびは、実際には資本主義の限界によるものであり、外国人が優遇されているわけではないと反論する。例えば、1982年まで外国人は国民年金に加入できなかった現実や、「外国人技能実習制度」によって外国人労働者が差別されてきた事実を挙げている。
また、参政党だけでなく、自民党や国民民主党も同様に外国人への排外思想を煽っていると指摘している。自民党は「違法外国人ゼロ」、国民民主党は「日本人が払った税金は日本人のために使う」と主張し、根拠なく外国人が制度を悪用しているかのような印象操作を行っている。
最後に、資本主義が引き起こす経済的閉塞状況が、右翼政治家による民族的・国家的エゴを煽る原因となっていると結論付けている。記事は、労働者に国境はないとして、外国人差別や排外主義に反対し、世界の労働者が階級的に団結することを呼びかけている。
【2面トップ】
米・ロ両大国の横暴糾弾
――ロシアへの東部2州併合で合意
この記事では、アラスカで行われたトランプ大統領とプーチン大統領によるウクライナ停戦をめぐる首脳会談について論じている。両首脳はウクライナ東部2州をロシア領とすることなどを盛り込んだ「和平」で合意したと発表した 。
記事は、この合意がロシアの占領した現状を追認するものであり、事実上、ウクライナの運命を米ロ両大国が勝手に決めたものだと批判している。また、トランプがゼレンスキー大統領に合意を受け入れるよう迫ったものの、ウクライナの安全保障のための確固たる保証はないと指摘する。
一方、プーチンの主張は、ウクライナがロシアと一体であるべきであり、反ロシア的な現政権は打倒されるべきだというものであると述べ、今回の「和平」合意は、ロシアが軍事的・経済的な回復を目的としたものであり、戦争の終結ではなく、さらなる戦争の継続を意味すると分析している。
最後に、今回の会談は帝国主義大国の横暴を明らかにしたものであり、世界の平和を実現するためには、帝国主義・反動国家に反対して世界の労働者が連帯して闘うべきだと結論付ける。
【2面サブ】
独裁強めるトランプ大統領
この記事では、トランプ大統領が再び権力を握った場合の独裁的な動きと、それを支持する層の背景について論じる。
トランプの独裁的な行動
トランプは、労働統計局が発表した雇用統計の数字に不満を持ち、局長を一方的に解雇したと報じられている。これは、自身の経済政策が成功していると見せるために、雇用統計を支持率に有利なように操作しようとする意図があると分析されている。また、トランプは議会を軽視し、大統領令を連発する傾向が強まっていると指摘する。
支持基盤と「文化戦争」
トランプの支持基盤は、中西部やラストベルトに住む、リベラルな大卒エリートに強い反感を持つ「忘れ去られた高卒の白人労働者」であるとされている。彼らは多様性を否定し、キリスト教的道徳に基づいた「価値観」を取り戻そうとしており、これが米国内での「文化戦争」を引き起こしていると述べる。トランプは、教育省の廃止や博物館の展示内容の見直しなどを行い、ワシントンからリベラル派を一掃しようとしていると批判している。
権力の誇示と独裁の強化
トランプは、支持層にアピールするため、エリート層に職業訓練の費用を負担させたと主張している。また、首都ワシントンに州兵を配置し、民主党に対する挑発と自身の権力を誇示していると指摘されている。さらに、ホワイトハウス内に大規模な舞踏室を建設したり、共和党議員が地下鉄の名前や100ドル札の肖像画をトランプにする法案を提出するなど、その独裁が着実に強まっていると結論付けている。
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